女医の診療時間

小児科医(女)は、月〜土曜日午前中と、月・水・金曜日の昼の診療を担当しています。

は慢性的な病気の方の予約外来です。各種アレルギー疾患、夜尿症などの方が通院しておられます。ご希望の方は電話にてお問い合わせください。
予約があっても風邪の症状のある時は、この時間には来ていただけません。午前中においでください。

夕診では院長が診察しています。内科医ですが、小児診療の経験が豊富で子供好きです。夜のみに受診されているお子さんもたくさんいらっしゃいます。かぜの時はもちろん、湿疹、便秘、アレルギーなどの薬がなくなる時も夕方に受診していただけます。

ただし、食物アレルギーの長期的な方針についての相談、アレルギー疾患の管理指導表、エピペンの処方などは、午前中か昼においでください。長く調子が悪いときやじっくり話をされたい時には、平日の午前中は比較的空いていますので、思い切って相談に来てくださいね。混雑具合はこちらで分かります。

アレルギー疾患の診療

女医の専門分野はアレルギー疾患です。食物アレルギーやアレルギー性鼻炎の方は急激に増えており、治療もこの10年ほどで劇的に変わっていますが、現時点での標準的な診断・治療をしていると思います。

赤ちゃんの湿疹

近年、赤ちゃんの頃の湿疹が、アレルギーの病気の原因になることがわかってきました。
皮膚は外の世界から体の中を守る壁(バリア)です。湿疹がある場所はバリアが壊れており、ほこりの中の卵など食物のたんぱく質がそのままの姿で体に入ってきます。すると体が異物とみなして、抗体を作ってしまうことがあります。
それとは反対に、口から入って消化されたたんぱく質は、体が栄養素として受け入れようとします。
ですから、赤ちゃんの湿疹は早く治して、皮膚のバリアを保ちながら、遅らせることなく食事を始めることが理想です。

生まれて間もない赤ちゃんに湿疹ができた場合、まずは見せてください。スキンケア(やさしく洗う、たっぷりの保湿剤)、ステロイド軟膏などで一度つるつるきれいにします。そのあと、皮膚の状態を見ながらくすりの量や頻度を減らしていきましょう。

湿疹を繰り返す子の離乳食

一度ステロイド軟膏で治療しても、やめるとすぐに湿疹がぶり返してしまうお子さんの場合、つるつるを保つように薬を塗る間隔を空けながらも続けます。生後5か月を過ぎたら、離乳食を遅らせずに始めます。遅らせない方が食物アレルギーの頻度は少なくなります。通常通り、ごく少量の10倍粥や野菜から始めます。

ただ、湿疹がしつこい場合、すでに一部の食品にアレルギーをきたしていることもありますので、食物アレルギーの頻度の高い①卵②乳製品(ミルクを使っていない場合)③小麦をはじめる前には相談しましょう。
これらも遅らせない方が良いのですが、心配な状況と判断すれば、先に検査や経口負荷試験をすることがあります。

残念ながら食物アレルギーと診断された場合も、大きくなるにつれ食べられるようになる子が多いので、時期を逃さないように食べられる時期を判断していきます。

食物アレルギー

こんな時に疑います。
①特定の食品(卵、乳製品など)を食べた後に、皮膚の赤み・かゆみ、咳、嘔吐などがあった
②果物や野菜などを食べて、今まで大丈夫だったのに口の中がピリピリするようになった

①の時には、「何を」「どれくらい」食べたら「どれくらい後」に「どんな症状」が出て、その後「いつおさまったか」を話していただけると、とても参考になります。写真を撮って見せていただくのもよいでしょう。

②は口腔アレルギー症候群といいます。多いのは、先に花粉症になり、その花粉と似たたんぱく質の構造をもっている果物や野菜に反応してしまうパターンです。花粉の特異的IgE抗体検査や皮膚テストをすることが診断の役に立ちます。

食物経口負荷試験について(予約制)

水曜日と金曜日の午前中に、食物経口負荷試験を行っています。 予約制です。
こんな時に行います。
 ①本当にその食品で症状が出たのか、はっきりしない→診断のための試験
 ②食べられるようになったかどうか確認したい→改善確認のための試験
 ③食べてしまった場合にどんな症状が出るか知りたい→症状を確認するための試験
明らかに強い症状が出ると分かっているときは行いませんし、症状が出ない可能性が高いときは、ご家庭で少量ずつ食べていただきます。「症状が出るか出ないか分からないが、もしかしたら強い症状が出るかもしれないので心配」な時に行います。

具体的には、まず外来で詳しくご説明し、予約をお取りします。
当日、書類や負荷する食品を持って午前8時50分に来院していただきます。
強い症状は食べてから2時間以内に出ることが多いので、12時までは院内で観察します。その後もご家庭で様子をみていただきますので、午後もお家で観察できるようにしてください。

経口免疫療法

食物アレルギーでは、原因の食物を特定し、必要最低限除去するのが基本です。
成長とともに食べられるようになる子が多いので、定期的に受診していただき、時期を見て食物経口負荷試験などで確認をしていくのが良いでしょう。

残念ながら、5歳を超えるくらいになっても、少量も食べられない方がいらっしゃいます。経口免疫療法はそういった重症の方への積極的な治療であり、よい結果も多く出ています。
まだ一律決まった方法があるわけではなく、きちんとデータを集めながら基幹病院で行うものであると考えています。
対象となる方は継続して外来へ通院されている方なので、時期が来たらご説明し、希望される場合は、藤田医科大学ばんたね病院アレルギーセンターなどへご紹介しています。

アレルギー性鼻炎と気管支喘息

最近、小さいお子さんのアレルギー性鼻炎が増えています。鼻がのどに降りてきて、ゼロゼロ音がしたり、咳が出たりします。咳が続く場合、「喘息かどうか」心配される声をよく聞きます。

気管支喘息では、かぜなどをきっかけとして、呼吸の音が「ゼイゼイ、ヒューヒュー」すること(発作)をくり返します。空気の肺への通り道である、気管支が細くなってしまって、そこを通る息の音がすきま風のようにヒューと聞こえるものです。細くなる程度によって、元気で遊べるくらいのことも、夜眠れないほどになることもあります。

小さいお子さんの場合、かぜでも喘息と同じようにヒューヒューいうことが多いです。発作の大きさや、繰り返すかどうかで判断します。

鼻炎のコントロールをよくすることが、喘息のコントロールにもつながってきます。

 

スギ、ダニの舌下免疫療法について

アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法(スギ・ダニ)を行っています。 対象年齢は 5歳以上 です。
シダキュア®(スギ) ミティキュア®(ダニ) を使います。
参照→鳥居薬品ホームページ 
免疫療法は、抗原(アレルギー症状の原因となるもの)を少量ずつ継続して取り込んで、徐々に体を慣らしていく治療です。

舌下免疫療法のよいところ 
→注射しない・強い過敏症状を起こしにくい
注意が必要なところ
→口の中がかゆくなるなどの軽い過敏症状は多い・必ず全員効くわけではない・家で行うため、気を付けて正しく使い、過敏症状の対処法を知っておく必要がある

スケジュール
①問診、診察、検査でスギやダニが原因であることを確認します。
②開始日(午前か昼):少ない量で始めます。院内で服用していただき、30分間様子を見ます。
③1週間後(午前か昼):問題がなければ通常量に増やします。
④4週間ごとに来院していただき、処方します。夕診でも処方できます。3年から5年間続けます。
スギの舌下免疫療法は、スギ花粉の飛んでいない6月から12月の初旬に始めなければなりません。
スギ、ダニとも妊娠中に治療を始めることはできません。
興味のある方は、ご相談ください。