ワシントンマニュアル34th Edition

内科医としてなにか1冊読むならこの本を選びます。

昨年は週刊某誌にて薬の特集があったようで私の外来でも大きな反響がありました。みなさん買って内容を読んだわけではないのに、「私が飲んでいるこの薬を飲んでいても大丈夫か」と不安になられたようです。
私も週刊某某を実際には読んでいないので何とも批評はしがたいのですが、電車の中吊り広告でドキッとさせて雑誌を買わせるという目的の内容を自分の実際の診療に反映させるつもりにはなりません。本当のプロの医者は週刊誌の内容を基に治療を行ったりはしません。

では何を基に診療するべきかと言うと決して一人よがりの勝手なことをしているわけではありません。そこには何らかの根拠、理由、経験、疫学が必要でまず重要なこととして「標準的治療」を知っている必要があります。
その標準治療を知るうえで信頼できる本といえます。奇をてらった治療が正しいかどうかより、まず標準治療を知っていてやるべきこと、やってはいけないことを評価することが一般外来では大切だと思います。

この本は3~4年ごとに全面改訂され、自分もかれこれ5冊目のWMを読んでおります。英語版で34版目の物を日本語版で第13版目となり70年の歴史がある本でもあります。
一般の方が手に取って読む内容の本ではありませんが日本語で読める本なので、自分にとってはちょうどあった本のように思っています。御自分の担当医が何の本を根拠に診療をしているかは実は大事なことかもしれません。

 

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