うちの小さな畑(通称ねこのひたい)にはときどきお客様があるのですが、今回主人が見つけてきたものがコレ。
どう見てもG?にしか見えないんですが、うちの人が言うにはたとえば国産の天然記念物で人気のイヌを「シバ」と呼ぶように、これこそが日本固有種でマニア垂涎の日本の宝「マイマイカブリ」なんだそうです。
時々いるらしいのですが、ここまでわかりやすく(カタツムリをかぶっている)無防備にお食事中なのははじめて見るそうです。マスクでコロナ対策っぽいところが今風です。
以後、関心のない方は斜め読みで。
いちおうこちらの分野は専門外ではあるのだが…と前置きしたうえで彼がご教授下さるのには、この目前のマイマイカブリは幼虫でカブトムシの仲間である甲虫類の1種とのこと。
特徴は成虫幼虫ともに肉食の偏食家で特にカタツムリが好物でそれを食べる様子から命名されたのはご覧のとおり。
地表近くの生活に特化し地面を這うのが得意でかなりの高速移動が可能。その代り羽が退化してしまい、いわゆる前羽が固まってカブトムシのようには開いて飛ぶことはできないそうです。
日本にしかいないため海外のマニアには珍しがられるはず。
そして国内では飛べないという特性から広範囲での移動を苦手としており地域で亜種的な固有性が顕著にみられるため地学的な変化の根拠となりうることもあるとのこと(この人はいったい何を言っているのだろう??)。
またそのスタイルは流線型でメタリックな独特のつや消し感のあるBODYをもっておりカブトムシに飽き足りたおこさんから逆コナン大人まで一定の人気がある、たとえるならティラノサウルスで物足りなかった男子にとってのスピノサウルス的な昆虫とのこと(今日はたとえられるたびにいちいちわかりにくいんですけど)。
奇しくもその首はカタツムリを奥まで余すことなく堪能できるように進化したと言われる細長い首をもち(どんだけエスカルゴ好きだったのかしらん?)きりんさん、ブロントサウルスさん、フタバスズキリュウくんといった首が長ければ長いほど美しいとされる首長族には眼がない虫であろうと。
ちなみに私が恐れているゴキブリという名の昆虫は「御器かぶり」と言っておそらくは平安時代あたりのやんごとなき人たちがつかわれる食器を「御器」と呼び、キッチンでお重とかにたかって「かぶり」ついているいやなムシという所からつけられたと言われており「ブリ」でくくっておなじ仲間とするのは早計とのこと。
被ると齧る違いかもしれんし、もともとゴキブリというのは昆虫の中でもかなりの古株で、マイマイカブリが所属する甲虫が完全変態をする昆虫の中でも進化した仲間とするなら、ゴキブリは不完全変態をする地球上にあらわれた生物の中でもかなりの先輩であり体育会系的価値観からいえばゴキこそが偉い虫であり、まさに太古の昔からほとんどその姿を変えずに生き残ってきた生きた化石であり、それこそ好きな人にはたまらないロマンのかたま…
朝の忙しい時間なのでもうこの辺で切り上げてと。さて、こいつを「保護」するかどうかについてずいぶん悩んでいるようでしたが、肉しか食べないとか、ミミズとかカタツムリとかイモムシの死肉とか…あり得ない感満載のため飼うのは却下しました。やっぱり自然が一番ですよね。
補足:マイマイカブリの成虫における「首」は正確には「胸部」にあたります。三本木在住のよしお君からご指摘いただきました。お詫びして訂正いたします。