さて、その日も平和な猫たちの集会がまったりと進む中、突然あのお方が立ち上がったのです。
「今日はわたしから、一言申し上げたいことがあります。」
我らの大将、コードネーム「ロプロス」が雄叫びをあげたのです。
なに?なになに? ふだんは温厚で壇上からいつもニコニコしているロプロスが突如話を切り出したので、猫たちはドキドキです。
私もこんなことを言いたくはない。一瞬の静けさがそう物語る雰囲気の中、ロプロスはこのように断じたのであります。「この中にひとり、裏切り者がいる。」と
にゃんだって~。猫の目は白黒。会場はもう↑へ↓への大騒ぎ。
「静粛に。ここはひとつ静粛に願います。」さすがの副会長コードネーム「フィクサー」も場を鎮めるのにひとくろう。
ロプロスによると、かの悪霊退散を念じてつくられたという小瓶に詰められし聖水をインストールすると、二人に一人の割で痛みを覚えるであろうというあの古から伝わる伝説にもとずいて、鎮まりたまえ治まりたまえと期待して服用するあの丸薬(コードネーム「マタタビ」)をあろうことかまだ苦しむ前から授けてしまったというそれはもう気の利いたある意味正義な行いをした者がこの中にいるのだという。しかもどうやらロプロスはすでにだれがその犯猫なのかホシを把握しておられるようなのでした。
「あえて、私はここで犯人探しはしません。」と。
「あなたのしたことは賢者の石の法でも無診察診療の疑いに抵触して禁じられているものだ。」とめずらしくロプロスは怒りで肩を震わせていらっしゃいます。「わたしはそんなことは断じて許さない。」
「今日のところはこのくらいにしておくが…、」そう前置きしたうえで「今度やったら、イチノミヤシの制裁をうけてもらうことになるから覚悟しなさいよねっ。」それを聞いた猫たちはブルブルです。
これ以上ロプロスを怒らせたらこの夏本当にあった怖い話になってしまう…とみんな思ったのでありました。
後日、〇メダの後ろの席から聞こえてきた小耳にはさんだ話。「あれさあ、ホントは自分で出したのを自分でオコしてたらしいんよ。」
にゃ、にゃんですって~。
「っていうか~、あれじゃん。こないだも朝は「もうないない、ほんとにもうチュー〇ャないからゴメンシテー」とか言ってたのに、夕方になったらあったじゃん。冷蔵庫の一番奥の方にさ。ナカノさん家からもらったっていってたけど、うちのご主人悪気はないんだけど最近忘れっぽくなったのかなあ。つまりそういうことらしいよ。」
あっ、チュールのことね。ビックリしたー。うんあれうまいよね。病みつきになるよね。「チュールやるからおいで~」ていわれると知らないおじさんでもついてっちゃう。ボクも気をつけよっと。