こい
前回、狙ったさかなは逃さない、「クロヒョウ(くろねこ?)」と呼ばれたわたしの身に突然…ふりかかった物語。
「私わかってます。センセイに間違いないです。マスクをしてたってわかります。」
「そんなに思いつめて…。いったいどうなされたというんです。」そして、指を折りながらちょっと考えた末に彼女はこういったんです。
「…家族も含めて5人分、インフルエンザのワクチンを予約したいんでお願いします。」
買い物かごに先ほどの切り身をしっかり収納した彼女はそう言ったのです。
「…ここでですか?」
「ここでです!!」
”ちゃらら~ん♪~”と1991年のあのミリオンナンバーがまさかこんなところで聴けるとはおもわなかった。
彼女には、黒い羊の革にくるまれた特別の手帳で管理されていて…、みたいな感覚でいらっしゃるのだろう。おそらく。きっと。たぶん。が、しかし現在クリニックちあきのワクチン管理はワクチン予約システムというデジタル管理されていて、それはもう私の手を離れ思うようにはならないようになっている。パスワードさえあれば特別のページが開く、というわけでもない。私のお役にたてる問題ではない。「やっぱり、人ちがいだと思いますよ。」そう言い残して私はその場をあとにするしかなかったのでした。
やっぱりというか流石というか、今年もインフルワクチンを希望される方が多いです。先に断っておきますが、仮にユー○トアーとかで私に似たヒトを見かけて直接かけあっていただいたとしても予約はできません。あの日、あの時、あの場所で、勇気を振り絞って声をかけていただいた貴女、ほんとうにごめんなさい。でもできないんです。いやまちがえた、できるんです。どうぞ予約システムから入っていただいて正規のルートからお取りください。何卒よろしくお願いいたします。そして、あの人が無事に予約をとれている事を切にお祈りしております。
あ