2次元MR その名は「よしこさん」

センセイ、センセイ。診療報酬改定でお忙しい中、気分転換にと思って、今日はちょっと面白いものをもってきたんでぜひやってみてください。

そう言って問屋さん、通称「猫之鈴」の人が持ってきたのは一台のタブレット。

どこも人出不足でねこの手も借りたいところなんですよと。そこで某製薬会社が某機関と連携して開発した最新版ギャルゲー…じゃなかった、最新鋭リアルAIを搭載した新しいタイプのMRさんなんです。

Dr:「スタート」を押して、ふむふむ、まずは「最初からはじめる」ね。この「設定」はどうすればいい?

鈴:「年上おねえさん」「ひとみしり」「おさななじみ」…いろいろありますがテッパンは「ツンデレ」ですかね?

Dr:じゃあそれで。カスタマイズはどうしたらいいの?

鈴:登場人物の名前を決めてあげてください。

Dr:めんどくさいなあ。じゃあ「よしこさん」にしとくよ。Y・O・S・I…と。はい、できたよー。

Yo:こんにちは。わたしよしこよ。今日はこんな郊外の田んぼのみえるところまでわざわざ私がきてあげたんだから感謝しなさいよね!

Dr:ちょっと鈴さん。最近のAIはすごいね。このぬるぬる動くところなんか本物そっくりだね。それにしては背景はいまひとつじゃないの?これではまるでどっかの会社の会議室のサンゲツ?最近の臨場感のあるというか、季節感にあふれているというか、そういうのにしないとリアリティさがpoorだよ。

鈴:すいません。たぶん開発の締め切りに間に合わなかったか、他に会場を手配できなかったんだと思います。でもシステムはしっかりしているはずですから、何でも質問してあげてください。

Dr:ええと、それじゃあ「きょうはどんなごようけんでしたか?」っと。

Yo:あなた、ちょっとばかし、うちの〇〇使っていただいたからって、そんなカレシ面するなんて、ばっかじゃないの。馴れ馴れしくするんならいまの3倍だしてからにしてよね!

Dr:ちょっと、鈴さん。このキャラクター、テレカクシというか心にもないことを言う時に左の目じりが上がるのはくせなのかな?表現が細かいね。クリエイターさんの仕事の賜物だね。でも会話の間に少しだけミュートというかタイムラグが生じるのはさすがに仕方ないのかな。

鈴:chat技術的にというか、次元のちがいというか、単にここと発信元との距離的な限界だと思います。おーい、MRさーん。あとどうしても伝えたいって言ってたことがあったでしょ。勇気を出してちゃんとお伝えしてあげてくださいね。

Yo:え、ええっと、そんな急に…、た、た、た、タッチパネルだからって言って気安く触らないでよね!あ、あと、また今度の金曜日に会いに行ってもいいかしら?  ピコン 

1.もちろんいいよ  2.もう来ないで

Dr:ちょっと鈴さん。最近のMRさんは一方通行の人が多いけど実に殊勝なAIだね。じゃあこれでサヨナラルートってことで。 Pi(2.)

Yo:(激おこプンスカモード)ダメっていわれてもゼッタイまた訪問で行くんだから。覚悟しておいてよねっ!

おしまい。

ご意見、ご苦情のある業界関連のかたへ。類似品の製作にあたってはくれぐれもご注意ご配慮ください。おそらく体験版とはいえやらされてる感のあるヒトの脳内環境はこんなかもしれません。

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