飼い犬に手を噛まれる。

いろいろ、わけあって(何となくうちはねこ設定)ナイショにしていたのだが、実はコロナ禍になってからイッヌと暮らしている。出会いはちょっとしたカンチガイ。男のたしなみというやつで某犬山線沿線最寄駅にて駅前留学に行っているのだが、そこでシュールベルク君(仮名)と知り合いになったんだ。このナイスガイがまたいっぱいしゃべれるおとこで、よく覚えていないんだが、彼によると

You must love dogs! You do? みたいなやりとりがあったらしく、次の週に彼とあった時にはなんともかわいらしいムクムクがトゥギャザーだったのである。

とはいえ、最初みた第一印象は「くま?」まあこどもではあったのでcuteなイメージではあるのだが特筆すべきはその前足の大きいこと。いったいこれは何?“What?“

“German Shepard Pappy!Today is wonderful day! Finally You become her Dad ,OK?”なんだってさ。

というわけで突然むすめができてしまったわけでして、その日以来せまいCLのベランダもドックランになってしまった。

さて、困ったことに箱入りむすめ状態とはいえ、いろいろ予防接種をうけてもらわないといけない。そう、これもまた愛ゆえのギフトなのだと、画策の末テンパー、狂犬病、フィラリアと各種ワクチンを手に入れた。まあ、とある筋から入手した。とだけ言っておこう。これであとはなにも困ることもない。というわけで、「コロり~おやつだよー。」とおいでおいでしたらもうまっしぐら。いつものように夢中になっている隙をみて…。

「あう」 

いや,イヌというものはふつう「あう」とは鳴かないだろう。これはつまり擬態語の「あう」であり、むしろ I said の「あう」なのである。お互い油断していた。こっちは「飼い犬に手をかまれる」とは夢にも思っていないしむこうはまさか「飼い主にチュウシャを打たれる」とは思っていなかったのだ。しかも子犬の歯というものは通常よりも細く鋭く尖っているもので、いつもの甘噛みだっていいかげんにしてほしいのに本気の一噛みはマジ神で、私の左手母指球筋筋膜を容易に穿孔する一撃をお見舞いされたわけである。

母指といってもいわゆるそれはおとうさん指の付け根でコロりにとってはMy Dadのおとうさんゆび、、、じゃない肉球に仕返ししてやったというわけだ。回想シーンはこれくらいにして。さてワシントンマニュアル第34editionによると動物による噛症でもっとも危険なのはヒトなのだそうだ。そしてワンちゃんとねこちゃんならねこちゃんの方が危険な創になるとのこと。そうだとしてもだ。あわてた私はこんなこともあろうかと思ってと炭疽菌テロ対策用虎の子広域抗生物質を内服し幸い事なきを得た。が、それでも、しかし、いまでも痛い目にあった思い出とその歯型だけは残っているという。

教訓としてイヌには犬の事情がある。犬には犬なりのインフォームドコンセントと同意が必要だということだ。ましてや心の準備もなくいきなりだとサプライズという名の仕返しがあっても自業自得ということだよ。おしまい。

おすすめ記事